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■ 8日め 体験記 ラスベガス → ロサンゼルス(482.1km) 朝は6時過ぎには目が覚めました。東の空から朝日が昇ってくる時間です。今日も建物の間からではありますが、朝日を見ることができました。アメリカ大陸最後の朝日です。 今日は、Los Angelesまで一気に戻り、夕方16時までにキャンピングカーを返却しなければなりません。その後、日付が変わって、0時20分の飛行機でソウルに向けて飛び立つ予定です。いよいよ今回の旅も最終章に入ってきました。 まずは昨晩できなかった荷物のパッキングから開始です。宿を転々とする旅行と違い、ずっと同じ車の中での寝泊まりでしたので、荷物は一回出したら殆どそのままで良く、そういう意味ではとっても楽でした。 荷物もお土産が増えましたが、その分日本から持ってきた食材が減り、とんとんと言ったところです。帰り支度は意外とすんなり終わってしまいました。次は水回りの掃除や、下水の処理です。 今日の朝食は昨日の夜ご飯を炊いていたので、おにぎりを作ることにしました。車を出発させるとそれ以降、水を出すこともできませんし、トイレも使用することができなくなります。おにぎりをラップに包んで、後はこのまま返却できるように車の中の大掃除をしました。 車内は土足禁止にしてたし、毎日拭き掃除はしてたので、比較的きれいでした。それよりも、これから夕方まで水もトイレも利用できないというのは、正直、一日分損したような気分になってしまいましたが、仕方ありません。全ての準備を完了させて、後は出発するだけとなりました。
8時前、いよいよLos Angelesへ向けて出発です。順調にいけば約5時間といったところですが、Los Angelesに近づいてからの渋滞と、途中でのトイレ休憩、昼食等考えて、7時間はかかると踏んで、返却時間に1時間の余裕を持って8時に出発することにしました。 今夜には仁川行きの飛行機に乗らなければならないので、絶対に返却時間に遅れるわけにはいきません。Las Vegas Blvd.に出て、北を見ると、大きなホテル群が静かにたたずんでる様子が見えました。たぶん今の時間が、Las Vegasは一番静かなのでしょうね。ちょっとのぞいてみたい気もしましたが、私たちは、これを逆方向に南下し、途中からI-15に入ります。 I-15に入ってしまうと、もうLos Angelesまで迷うことはありません。多少のアップダウンはありますが、砂漠の中をひたすら、南西に向かって一直線です。しばらく走ると、ネバダ州からカリフォルニア州へと入り、カリフォルニアから始まって、アリゾナ、ユタ、ネバダと続いた旅もとうとう振り出しの州に戻ってきたことになります。小さな街はぽつぽつとありますが、殆どは砂漠の中で、大自然の中を走っていきます。
やがてBarstowが近づくと、検疫所のようなものがあり、全車一時ストップ。ここでは、どこから来たのか、オレンジなどのフルーツを持ち込んでないかを聞かれました。 しばらく走ると、初日に泊まったBarstowのKOA RV Parkが右手に見えてきます。行きは、車の運転にまだ不慣れで、あそこまでたどり着くのにへとへとだったような気がしますが、今は余裕を持って見渡すことができます。 グランドサークルをぐるっと一回りしてきたことになるんですね、感慨深いものがありました。Barstowで、給油もかねて、一時休憩、ここは思いの外ガソリン代が高く、1ガロン3.5ドル近くもしたので、必要最低限だけ給油して、出発することにしました。 ここまでLas Vegasから約3時間、時刻はまだ午前11時なので、途中で渋滞しても時間通りにレンタカーオフィスまで到着できそうです。ここからは行きに通った道を戻っていくわけですが、行きは心に余裕がなかったのか、途中の景色を殆ど覚えてません(写真はいっぱい撮ってありましたが)。まるで初めて見る景色のようでした。 途中で、今回の旅で初めてナビをセットしたのですが、これがとても助かりました。次の分岐点まであとどれくらいで、どの車線を走るといいかまで教えてくれるので、気持ちにもゆとりができました。田舎の一本道では殆ど使う必要はなかったのですが、さすが都会の道路では効力を発揮します。I-215との分岐も、I-10への乗り継ぎもスムーズに行うことができました。 I-10に乗ると、あとはまっすぐに西を目指すだけです。前方は、スモッグのようなもやで包まれており、空気がよどんでいる印象です。あのもやの中にLos Angelesの街があると思うと、もう一息といった感じですが、さすが大都会、空気も悪いんだなと思いました。 Los Angelesに近づくにつれて交通量が少しずつ多くなってきました。所々渋滞で車が止まることはありますが、一週間前の金曜日に郊外へ向かった時に比べると、比較的スムーズに流れています。 もう少し、時間が遅くなると、反対側車線は大渋滞となるんでしょうが、この時間はまだそうでもありません。でも、こんなに車が多いのに、よくそんなスピードで走れるなというくらい、周りの車は飛ばしています。 少しでも前の車との車間距離が空くと割り込まれてしまいますが、こちらの車はブレーキが甘く、前の車との車間を詰めることはできません。時間もあるし、焦ることなく地道に、ロスへの道を進みました。
時刻は12時を過ぎお腹がすいてきたのでどこかで昼食を摂ろうということになりました。インターステートを一度降り、お店を探してた所、IN-N-OUT BURGERを見つけたので、ここに入ることにしたのですが、最後になって、この車の大きさを忘れてしまってました。 一通り駐車場を廻ったのですが、車がいっぱいだったので、ドライブスルーに入ろうとしたのですが、これが間違いの元でした。並んだはいいけど、どう考えてもこの先の細いカーブを曲がって、注文窓口までたどり着けそうにありません。それくらいこの先の道が狭く、しかもカーブが急なのです。 あそこで立ち往生するよりはと思い、思いきって車の列を離れ、妻の誘導に従って車をバックさせ、次々に入ってくる車を避けながら、なんとかUターンすることができました。冷静になって考えると、この車体でドライブスルーはやはり無理がありました。お店の人も一瞬びっくりしたことだと思います。 IN-N-OUT BURGERは是非食べてみたかったのですが、残念ながらこれが賢明な選択だったでしょうね。街中で食事をするということに恐怖を覚え、結局このままエルモンテのレンタカーオフィスに向かうことにしました。 再びI-10に乗り、西へ向かいます。周りはすっかり都会の景色に変わり、ゴールは間もなくといった雰囲気です。.マラソンでいうと、40kmを過ぎた所といったところでしょうか。 ナビに従ってI-605に乗り継ぎ、南に進路を変えると、ゴールはもうすぐです。I-5 Southに乗り換えてすぐに、エルモンテに停まってるたくさんのキャンピングカーが見えてきました。ここまで来るともう迷うことはありません。 当初はオフィスに着くまでに道に迷わないか心配だったのですが、ナビのおかげですんなり到着することができました。あまり利用する機会はなかったのですが、やはりナビは借りててよかったと思います。 インターステートを降りて、最後の給油です。まだ時間があり、ここで食事をしようかとも思ったのですが、何となく、なるべく早くこの大きな車を無傷のまま返却したいという気持ちになってしまい、そのままオフィスまで向かうことにしました。 慣れてきたとはいえ、やはりそれくらい街中の車の多いところでは、運転にストレスを感じてしまいました。それでも無事にスタート地点まで戻ってくることができ、達成感とともに、ほっとしたというのが正直な気持ちだったでしょうか。時刻は13時30分、時間的には焦ることなく、余裕のゴールインでした。 車を降りて、これまで無事に走ってくれた車と一緒に、みんなで最後に記念写真を撮りました。ちょうど一週間前の同じ金曜日、ほぼこの時間から運転を開始して、丸8日間、走行距離にして約3000kmもの長旅でしたが、何物にも代え難い素晴らしい経験をすることができました。 小さなアクシデントはいくつかありましたが、全体を通してみると些細なことで、キャンピングカーの存在さえ知らなかった僕たちが、こうやってアメリカ西部の砂漠地帯を廻って来れたというのは、本当に感慨深いものがありました。 普通のレンタカーを借りて、モーテルを渡り歩いてるだけでは、おそらくここまでの達成感はなかったのではないかと思います。それくらいインパクトのある旅でしたし、何より目の前に次々と現れてくる予想以上の大自然の前には、ただただ脱帽することばかりでした。 この旅を最初からコーディネートしてくださり、相談に乗ってくれた小林さんには感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
ところで、この旅はもう少しだけ続きます。 Los Angelesに着いてまず感じたのは、ここは、暑いということでした。今まで廻ってきたどこよりも暑く、多少湿気もあり、日本を思い出させるような気候です。それでも、空の青さは日本と比べものになりません。 時間が早いせいかまだ日本のスタッフの方は見えてません。自分たちで返却の手続きをすることにしました。スタッフの人が一通り車内外をチェックして、何か不都合はなかったかと聞かれたので、ジェネレーターが途中から使えなくなった旨伝えると、こちらの責任ならその分は返金するということでした。 間違った使い方は絶対してなかったつもりでしたが、コンセントに差し込むプラグ(変圧器?)のことを何か言われて、説明を受けたのですが、よく意味がわからず、結局、会社側に非はなかったとのこと、返金はありませんでした。 こういう時に言葉の違いの壁を感じるものですが(受付の若い女性の方がスペイン語なまりのわかりにくい英語をしゃべるので、なおさらよくわかりませんでした)、使えなくて困ったということもありませんでしたので、深くは聞きませんでした。真夏だったら大変だったでしょうけどね。 無事に返却手続きも終わり、彼女と握手をしてオフィスをあとにし、日本人スタッフの方に携帯で連絡を取ることにしました。これから、近くのハーツレンタカーオフィスまで連れて行ってもらって、そこでまた車を借りて、これからサンタモニカに行く予定にしていたからです。 ダウンタウンからの道が渋滞しているということで、桑田さんと松本さんが来てくれたのは、15時近くになってからでした。それまでは、オフィス外の日陰のベンチでジュースを飲んだり、お菓子を食べたりしながら過ごしてたのですが、改めて周りを見渡すとものすごい数のキャンピングカーです。よくこれだけの需要があるものだと感心しましたし、アメリカとの文化の違いを改めて感じました。 ハーツのレンタカーオフィスまでは、車で10分くらい、とても小さなオフィスでした。当初、私たちが借りる予定だった車が、実は今日の夕方にしか返却されないという、まさにアメリカ的な理由で、車の変更を提案されたのですが、そこは英語をしゃべれる方がいてくれたおかげで、難なく解決、少しグレードアップできたようです。 ここで、桑田さんと松本さんとはお別れです。Los Angelesに着いた時からいろいろとお世話になりました。やはり現地の人と交渉できる日本人スタッフの方がいてくれて、特にこちらに着いた時には本当に心強く思いましたし、旅先で何かあった時に頼れる人がいるというのは、精神的にも助かりました。サンタモニカに向かうルートも教えてもらい、オフィスをあとにしました。 日本を出発する前から、キャンピングカーを返却したあと、空港に向かうまで、レンタカーを借りてどこに行こうかと考えたのですが、空港に近く、景色がきれいということでサンタモニカに行くことにしました。 ハリウッドに行こうかとも思ったのですが、ここに行くにはダウンタウンの中を通らねばならないし、交通渋滞、駐車場の問題、空港までのアクセス等、いろいろ問題が出てくる可能性がありましたので、サンタモニカに決めました。 ここは、Los Angelesに留学してたことのあるお隣さん(日本出発前夜に遅くまでおじゃまし、いろいろアドバイスをもらいました)もお勧めの場所でした。なんといっても空港に近いというのが決め手でした。道に迷って飛行機に遅れることだけは絶対に避けねばなりませんでしたので、そういうリスクをなるべく回避する必要もありましたし・・・。 16時過ぎになってようやくレンタカーオフィスを出発、途中スーパーに寄ってちょっとだけ買い物をして、いよいよ本当に最後の目的地サンタモニカに向けて出発しました。 当初はI-605からI-105、I-405、I-10と経由し、最短距離で行く予定でしたが、I-605に乗ってすぐにI-105に入る道を通り過ぎてしまい、少し南に遠回りしながらステートハイウェイ91号を経由して、I-110 Northを北上、ダウンタウンには近づかず、I-105 Westへ入り、空港入口からI-405 Northへ向かうルートに変更しました。 このレンタカーには何カ国語にも翻訳してくれるカーナビが付いており、街中を運転する際はやはりナビがとても威力を発揮します。迷うことなく目的地まで誘導してくれました。
しかも、これまでのキャンピングカーと比べ、車がコンパクトなので、運転も自由自在です。車線変更も思いのままだし、アクセルも、ブレーキも日本で運転している感覚と全く変わりません。車の運転って、こんなものだったよなと妙に納得しながら、すいすいと進むことができました。 自分たちが進む方向はこのようにスムーズだったのですが、反対車線は何故かどこも大渋滞しており、車が全くと言っていいほど動いていません。渋滞してたら、1時間30分くらいかかると言われてたサンタモニカまでの道のりでしたが、こちら側は車は多いのですがジャンクション以外で渋滞するということはなく、意に反して、40分くらいで最終目的地に到着することができました。 ビーチに近づくと、路上駐車してる車もたくさんありましたが、駐車場という標識に従って車を進めると、砂浜のすぐ目の前に無料駐車場がありましたので、ここに車を停めることにしました。広い砂浜の向こうに広大な太平洋が広がってます。 すぐにでも海に向かって走り出したい気持ちを抑えながら、ここはLos Angelesなのだということを頭に入れて、車の中の荷物を人目の付かないところに整理して、ビーチに出て行きました。 砂浜がとても広く、海まではかなりの距離があります。人もそれなりに多いのですが、それ以上に砂浜が広いので、窮屈な感じは全くありません。僕自身、こんな広いビーチを見るのは初めてのような気がします。 ビーチバレーをする人、チェアーでくつろぐ人、それぞれに違った時間が流れてるようです。子供達は海に向かって一直線、あっという間に海の中に入ってしまいました。
太陽は西に傾き、少し肌寒い気もしますが、そんなことはお構いなし、最後の時間を満喫しました。いつの間にかサンタモニカピアの観覧車には明るいネオンが点灯しており、やがて、太陽が太平洋の彼方に沈んでいきます。 今回の旅でたくさんの夕陽を見てきましたが、正直言って、ここで見た夕陽が一番きれいだったような気がします。まるで今回の旅の締めくくりを歓迎してくれるかのようで、この旅の最後にサンタモニカに来て、太平洋に沈む夕陽を見る事ができて良かったと心から思いました。 次にこの太陽を見るのはソウルの空でだと思うと少し寂しい気もしましたが、それでもこの旅のエンディングとしては、最高の演出だったと思います。 太陽が沈んでからも、しばらくは水平線付近の空が、上空に向かってオレンジから藍色へと微妙に変化し、見たこともないような不思議なグラデーションがしばらくの間続いていました。
名残惜しくはあるのですが、そろそろここをあとにする必要があります。欲を言えば、サンタモニカピアにも行きたかったし、3rd. Streetも散策したかったのですが、これだけの時間を過ごせたのだから、これ以上贅沢を言ったら罰が当たってしまいます。 考えてみれば、今日はろくな食事もしてないし、交通渋滞も気になるので、早めに空港に向かうことにしました。まずは、子供達の濡れた服の着替えです。シャワーを浴びさせ、せっかくパッキングしたスーツケースを再度開いて、帰り支度をして、車に乗り込みました。
すでに外は真っ暗で、ナビがないと空港まで戻るには不安があるところでしたが、そこはナビを使ってスムーズに空港まで向かうことができました。案の定、空港までの道のりは大渋滞です。 片道6車線も7車線もある道路が車でびっしり埋まっており、走行車線はテールランプの赤で、対向車線はヘッドライトの黄色で、光の帯が、果てしなく続いている景観は、およそ日本では見ることのできない光景でしょう。大自然もいいけど、こんな景色もまた旅の締めくくりとしてはアクセントがあっていいもんだと思いながら、空港までの道のりを走りました。 途中給油する必要もありません。空港のオフィスまでは、ナビのおかげでI-10からI-405経由で迷うことなく走ることができ、約30分で到着、がっかりするほどあっけなく車を返却することができました。本当にこの旅は終わりです。 レンタカー返却所から空港ターミナルへはシャトルバスが走っており、係の人へアシアナ航空に乗る旨伝えます。ターミナルに着くと、ちょうど搭乗手続きが始まるところでした。到着時もそう感じましたが、ここロサンゼルス国際空港は狭いし、なんだか暗いし、お世辞にもきれいな空港とは言えません。 ちなみに何を基準に調べたかわからないけど、ロサンゼルス国際空港は、ロンドン、パリについて国際空港世界ワースト3だそうです。世界ベスト1はシンガポールのチャンギ国際空港ということです。 「ロンドン経由でパリに行くのは、幸せな若いカップルにとっては最悪の選択だ」という記事を見たことがありますが、ロサンゼルスもなるほど、それに近い印象はありました。無事に荷物を預けて身軽になったところで、食事を摂ることにしました。今日は朝食を摂って以降、お菓子をつまんだくらいでまともな食事は何も食べてません。 ほっと一息ついて、ようやく空腹感を感じるようになりました。2階にあるフードコートに行きましたが、時刻も21時を過ぎてるというのに人であふれかえっており、席を探すのにまず苦労しました。さすが人種のるつぼアメリカ、いろいろな国の人がいるようです。 食事を摂るとようやく落ち着き、しばらく一階にあるお土産物屋さんを散策することにしました。いろんなところで買い物をしてきましたが、ここが本当に最後の買い物です。貯め込んだ小銭を消費するために、ほんとにしょうもない細々とした買い物をして廻りました。 23時を過ぎ、そろそろ出発ゲートに向かいます。ここでは、噂には聞いてましたが、靴まで脱がされて検査を受けました。もちろん何事もなく通過し、待合室へ。ここも狭いスペースでたくさんの人で混み合っていました。 歯磨きをしたりしながら待ってると、やがて搭乗開始、飛行機に乗り込みます。朝早くから活動してたので、座席に座るやすぐに眠気が襲ってきました。OZ 203便は定刻通り0時20分に出発、30分後の0時50分にアメリカの大地を離れ、ソウルに向けて離陸しました。 行きと同様、ほぼ満席状態です。しばらくうとうとしていましたが、すぐに食事のサービスがありました。子供達はぐっすり眠ってましたが、せっかくなので、ビールにワインとフルコースで注文し、しっかり飲み食いしてから休むことにしました。貧乏性なので仕方がありません。
9月27日(日)帰国 どれくらい眠ったでしょうか。到着はソウル時間朝5時の予定なので、夜明けとともに到着する感じで、外はまだ真っ暗です。昨晩というよりつい先ほどロサンゼルスを出発したのが、9月26日、土曜日の0時20分でしたが、目が覚めると、9月27日、日曜日の真夜中です。つまり川添家にとって、2009年9月26日、土曜日は殆ど存在しなかったということになります。 何とも、得したような損したような不思議な感覚です。一度起きてしまうとなかなか眠れず、本を読んだり、座席に付いてるゲームをしながら過ごしました。 やがて夜が明け、定刻通り朝5時、ちょうど12時間のフライトでソウル仁川国際空港に到着しました。ソウルの空はどんよりと曇っており、昼前から雨の予報、久しぶりにこんなまとまった雲を見たという感じです。残念ながら、昨日ロサンゼルスに沈んでいった太陽を今日は見ることができませんでした。 殆どの人は、韓国に入国し、乗り継ぎカウンターに進んだのは、ほんの数組だけのようでした。行きと同様、簡単な保安検査を経て、搭乗ラウンジへ。最初はさすがに閑散としていましたが、7時を過ぎる頃になると、次々と店がオープンし、多くの人でにぎわうようになってきました。空港ターミナルを端から端まで歩いてみましたが、天井が高く、広く、明るく、沢山のお店があり、まるでショッピングモールのようでした。ロサンゼルス空港との違いが際だちますね。
福岡行きOZ 132便は9時30分発でしたので、3時間以上は待ってたでしょうか、それでも、子供のちょっとした遊び場があり、買い物するところ、軽食を摂るところなど、退屈することなく時間をつぶすことができました。 定刻通り、仁川空港を離陸、やはり満席状態です。ここまで来ると日本人も多く、久しぶりに他人の話す日本語を聞きました。離陸してすぐに朝食が出ましたが、全部食べ終わる頃には福岡の街が見えてきました。 福岡も薄曇りで、アメリカで見たような澄んだ青空も明るい太陽も見ることはできませんでした。でも、その方がむしろ日本に帰ってきたという実感があって、良かったのかもしれません。早く現実に戻って明日から働かねばなりません・・・。子供たちも学校があります。 とうとう日本に帰ってきてしまいました。入国審査、税関ともスムーズに通過し、荷物を持って外に出ました。久しぶりの日本の空気ですが、心なしか、出発時より少し涼しく感じました。 車をピックアップし、一路自宅のある熊本へ。やはり日本の道路は狭いし、車は多いし、街は窮屈だし、いろんな事をアメリカと比較してしまいますが、日本には日本の良さもありますよね。水の豊かさ、緑の豊かさ、それらのものが作り出す繊細な美しさ、そういう大切なことを再確認できた旅でもあったと思います。途中一つ手前のインターで高速を降りて、どうしても行きたかったお気に入りの温泉センターに寄って、久しぶりに大きな湯船のお風呂にゆっくりとつかって、自宅に帰りました。 熊本には夕方前に到着、ソウル便だからこそ(成田便だと熊本到着は夜中になってしまいます)の時間です。無事に帰ってくることができ、それが何より一番の目標でしたので、本当によかったと思います。 出発前に心配していた母親にも、TELで無事に帰ってきたことを伝えました。わがままな父親に時には文句を言いながら、へとへとになりながら、ずっと付いてきてくれた家内、子供達にも感謝の気持ちでいっぱいです。またいつの日か、こんな風にアメリカの大地を走ってみたいと思います。 自宅のリビングには、Los Angelesで買ってきたアメリカ合衆国の大きな地図を貼っており、時々ぼんやりと眺めています。まだ夢の続きといったところでしょうか。 最後になりましたが、私の夢を叶えてくれた小林さんに心からお礼を言いたいと思います。「どうもありがとうございました」
★欄外 帰りの車の中で今回の旅でどこが一番印象に残ったのかみんなに聞いてみました。 父親:モニュメントバレー(やはり一番行きたかったところなので感激しました) 母親:ザイオン(荒々しい自然より、やや日本に似た川と渓谷が良かったようです) 長男:アンテロープキャニオン(ちょっと意外でしたが、彼なりの感性でしょう) 次男:サンタモニカに沈む夕陽(確かに今回の旅で一番きれいな夕陽でした) 三男:ロスの夜のドライブ(空港に向かう高速で渋滞する車の光の帯に感動したようです) 長女:??? 次男、三男はキャンピングカーでの旅が終わってからのことですので、ちょっとがっかりもしましたが、一番新しい記憶が印象として残ったんでしょうね。長女は地上ではリスを、上空では飛行機雲を見つけるのが得意でしたので、それが一番楽しかったかもしれません(記憶には残ってないでしょうが・・・)。 個人的にはどこに行っても新鮮な驚きがあり、感動の連続でした。その中でもモニュメントバレーは、ここに行きたかったからこの旅を計画したというくらい特別な思い入れがあり、一番印象に残りました。 ずっと天候にも恵まれ、心配していたthunderstormにも遭わず、それが何より一番良かったことですね。気候的にもこの時期はベストのシーズンだと思いました。
★付録 全走行距離:1841.6マイル(約3,000km) 使用ガソリン:約220ガロン(約840リットル) ガソリン代:607.54ドル(約58,000円)(1ドル95円換算) 69.2円/1リットル 燃費:3.5km/1リットル
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