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アメリカ レンタルキャンピングカー(モーターホーム)の旅 体験記13

■ 7日め 体験記

ザイオン → ラスベガス(278.9km)

今日はゆっくりと7時半くらいの起床でした。明るくなってから目覚めたのは今回の旅行で今日が初めてです。昨日はかなり歩いたのですが、おかげで疲れもなく爽快な朝でした。

 

今日の午前中はシャトルバスに乗ってシーニックドライブの一番北のナローズ入り口まで行って、ちょっとしたハイキングをした後、午後からLas Vegasに移動する予定です。ここからLas Vegasまでは車で2時間半の予定ですが、時差が1時間あり、時計を戻すことができるので時間的にも余裕があります。ちょっと得した気分です。

朝は具沢山のみそ汁とご飯を食べて9時頃にゆっくりと出発です。東側に大きな壁Watchmanがそびえてるため、まだ陽はあたってませんが、今日も雲一つない快晴です。

ビジターセンター内に広大なRV車専用の駐車場があるので、そちらに移動しましたが、まだ朝早いせいか数台の車しか止まってません。このWatchman RV Parkは、景色の良さはもちろんですが、ビジターセンターの敷地内にあるので、交通の便も良くとても便利でした。

   

ここからシャトルバスに乗って、終点のTemple of Shinawavaまで向かうことにしました。北に向かう場合、バスはバージン川を左に見ながら走るので、バスでは左側に座った方が景色が開けていてきれいです。

バスの運転手がジョークを交えながらいろんな説明をしてくれて、周りの人は時折大爆笑をするのですが、残念ながら私にはそこまでの理解力はなく、黙々と車窓から見える景色を写真に撮ってました。

自分で運転するわけではないので、思う存分景色を楽しむことができました。ザイオンはこれまでのグランドサークルで見てきた砂漠の景色とは一変し、川と緑に恵まれた自然で、どちらかというと日本に似た雰囲気がありました。とは言っても、その規模は大きく違います。バージン川の両脇にそびえる岸壁の高さは1000m近くあるのでしょうか、見上げるような高さです。

   

終点のTemple of Shinawavaに着き、ここからリバーサイドウォークをナローズの入り口まで、片道約30分のトレッキングに出かけることにしました。

この道もバージン川に沿って歩いていくのですが、渓谷の幅はますます狭く、岩山が両側に迫っているため、太陽の陽が届かず、周りの空気がひんやりしています。今回の旅で初めて日本人観光客としばらくの間立ち話をしました。

アメリカ人の方が一緒だったのですが、ヨセミテをものすごく勧めてくれました。「来年は是非ヨセミテに」ということでしたが、もちろんそこまで時間もお金も余裕はありませんので、笑ってごまかしましたが、いつかは行ってみたいですね。

30分でナローズの入り口に到着しました。ここからはさらに奥へ、狭い渓谷の川の中を歩くトレッキングコースがあります。私たちはここから先に進む予定はありませんでしたが、かなりの人達が木の杖を持って、水の中を奥へと進んでいきます。水は結構冷たく、陽もあたらないので、長く入ってると寒いほどでしたが、みんな平気なのでしょうか。

   

しばらく川遊びをして、元来た道を引き返すことにしました。このザイオンキャニオンもバージン川が作り上げたものでしょう、コロラド川が作り上げたグランドキャニオンもそうでしたが、日本で見る渓谷とは規模が遙かに違います。

それまでに費やした年月が桁違いだからでしょうね。再びシャトルバスに乗り、昼過ぎにビジターセンターまで帰ってきました。一般の観光客が廻るのとほぼ同じコースにしか行けなかったので、今度来た時は、Angeles LandingObservation Pointのどちらかには是非行って、上からキャニオンを眺めてみたいと思いました。

   

駐車場は、この時間になると案の定ほぼ満車状態でした。昨日ザイオンに着いた後に腕時計がないことに気付いてたのですが、やっぱり出てきませんでした。ポケットに入れていたので、河原かWatchman trailを歩いてる時に落としたのでしょう、車の中にはどこを探しても見あたりません。

RV Parkのゲートオフィスとビジターセンターに行ってみましたが、落とし物の届け出はないとのこと、lost reportを書くかと聞かれましたが、「そこまではいいや」と思い、あきらめることにしました。

ここでちょうどお腹もすいてきたので、このまま駐車場でお昼ご飯を食べることにしました。今晩はLas Vegasで外食をすることにしてましたし、明日の夕方までにはこの車を返却しなければならず、明日は車の中で料理するわけにはいかないので、実質車内で料理するのは、この昼食が最後ということになりました。 といっても食材は計画的にほぼ使い果たしてしまい、日本から持ってきたソーメンが中心になりましたが。

   

時刻は13時、いよいよ今回の旅の最後の目的地、Las Vegasに向けて出発です。大自然の中で遊ぶのもこれで終わりかと思うと少し寂しい思いになり、この旅も終わりに近づいてきてることを実感しました。

ビジターセンターよりUT-9を左折、Springdaleの街を抜け、しばらくは周囲にザイオンの赤い岩山を見ながら進みますが、次第に荒涼とした景色に変わってきます。標識に従って、いくつかの小さな街を走り抜け、1時間ほど走ったところで久しぶりにインターステートハイウェイに乗りました。

このI-15 Southに乗ると、Las Vegasまでは一本道で迷うことはありません。久しぶりにインターステートハイウェイを走るので最初のうちは少し緊張しましたが、すぐに慣れました。岩山のくねくね道を走り抜けると、あとはLas Vegasまでは広大な砂漠の中をただひたすら南下するだけです。

   

南側から太陽がまっすぐに当たるまぶしい中、きらきらと光る大地の中を走ります。数日前からジェネレーターの調子が悪く、ブレーカー等いろいろさわってみたのですが、どうしても作動してくれませんでした。

この暑さの中を車のエアコンだけで走れるか心配だったのですが、思ったほど暑くはなく、子供達は定位置のお気に入りの運転席の上のスペースで昼寝をしていたようです。この路線は南北をつなぐ大動脈なのでしょう、交通量も比較的多く、日本では見たこともないような大きなトラックが何台も走っており、久しぶりに長大な貨物列車も見ました。

しばらく走って、小さな丘を越えると左手前方にいきなりLas Vegasの街が砂漠の中に浮かぶ蜃気楼のように見えてきました。距離はまだ遠く、摩天楼が小さくしか見えないのですが、何もなかった砂漠の中に突然大きな街が現れたものですから、やはり感動しました。

夜だと、突然Las Vegasの街の光が洪水のように現れるというのを聞いたことがありますが、確かに夜景だったらもっと興奮するでしょうね。その後、かなりの時間走ってるように思いますが、街はなかなか近づいてきません。

ようやくLas Vegasに近づくにつれ、徐々に車の数が多くなってきましたが、街に入る直前から急に交通量が多くなり、所々渋滞するようになりました。久しぶりに片側5〜6車線の道路なのですが、ぎっしりと車で埋まっており、なかなか前に進みません。それでも目の前には写真でしか見たことのない巨大なホテル群が建ち並んでおり、その景色を楽しみながらゆっくりと進みました。

時間があれば、ストラストフィアタワーに寄って、高いところからLas Vegasの街を見てみたいと思っていたのですが、この交通量の中で車線変更をして一般道に降りて、更に駐車場を探すという勇気もなく(こういう時にナビを使えば良かったですね)、このまま今日の宿泊先であるOASIS RV Parkに直接向かうことにしました。

渋滞の中、街の南の端まで走り抜け、予定通りExit 33よりI-15を降り一般道へ、ここですぐ右にOASIS RV Parkの入り口があったはずなのですが、あまりにも近すぎて見落としてしまい、Las Vegas Blvd.を越えてしまいました。ぐるっと大回りをして再び元来た道に戻ると、高速出入り口のすぐ近くにRV Park入り口がありました。このRV ParkはちょうどI-15に接して存在している格好です。

ザイオンを出発して約3時間、時計を1時間戻すので現地時間3時過ぎにようやくLas Vegasに到着しました。日差しが強く、地面がアスファルトだからでしょうか、ザイオン以上に暑さを感じます。

オフィスの前に車を停めて、まずはチェックインをすることにしました。噂通りオフィスは、一見高級ホテルのように立派で、奥にはリゾート感漂うプールも見えます。ここには900台以上のサイトがあるのですが、私たちが指定されたのはなんと1番で、オフィスから一番近く一番わかりやすい場所でした。バックで車を入れる必要がありましたが、だいぶ慣れてきました。

フックアップ作業を済ませ、まずは洗濯と、昨日ザイオンでゆっくり浴びれなかったシャワーを浴びることにしました。ランドリーとレストルームは同じ建物の中にあり、レストルームは今まで使ってきた中では一番広く清潔で、子供3人と入ってもゆったりとしたスペースがありました。

まだ陽が高く、外を歩くには暑そうなので、もう少し日が傾いて、涼しくなってからLas Vegasの街に出かけることにしました。周りを少し歩いてみましたが、さすがにこれだけサイトがあると、空いているスペースもかなりありました。

いろんなタイプのキャンピングカーが停まっていて、さながら車の展示会場のようです。マッカラン空港がすぐ近くにあるので、上空の低いところを飛行機がひっきりなしに飛んでいます。インターステートがすぐ隣を走ってるので、車の音も絶えず聞こえてきます。今までのRV Parkとは違う都会の雰囲気を感じました。それこそ都会のオアシスといった感じですね。

   

17時、日差しも穏やかになり、オフィスに行ってタクシーを呼んでもらうことにしました。ところが、今の時間タクシーはとても混んでいて、一時間以上待ってもらわなくてはならないとのことでしたが、それでも交渉すれば何とかなるもので、10分くらいで来てくれるところを探してくれました。

その代わりチップは多めで、しかも、うちは家族6人なので1台では足りず2台必要とのことでした。そこにお願いして、タクシーでルクソールラスベガスの前まで乗せてもらい、そこからストリップを北に向かって歩くことにしました。

ルクソールラスベガスまでは15ドルくらいだったと思いますが、おつりをもらうのも面倒くさかったし、チップを含めて20ドルを払いました。まずは巨大なピラミッドやスフィンクスの前で記念写真を撮って、ニューフォーコーナーに向かいます。

   

この角にあるMGMグランド内のレストランで夕食を食べる予定にしました。ニューフォーコーナーの歩道橋の上から大通りを眺めると、暮れなずむ夕陽と街のネオン、車の光とが微妙にマッチしてて何ともいえない独特の雰囲気が漂っています。人工的ではありますが、都会の夕暮れもまた違った意味で感動しました。

世界一の規模を誇るMGMグランドの一階に、レインフォレスト・カフェというレストランがあり、子供達も喜ぶかなと思って今日の夕食はここを選択しました。この旅行最後のまともな夕食ということで、打ち上げみたいなものです。

お客は沢山いましたが、待つことなく中に案内されました。食事は可もなく不可もなくといったところでしょうか、いろいろなメニューがあり沢山オーダーして少しずつチョイスして食べることができました。味もまあまあでした。

食事中頻繁に、動物の鳴き声が聞こえてきたり、雨が降ったり、雷が鳴ったりで、上の子3人は大喜びでしたが、末娘は怖がってその度ごとに、机の下に隠れたりで大忙しでした。ここはおみやげ物屋も併設されていて、食後はちょっとした買い物もしました。

野球場が4つも入るという巨大なカジノまでのぞいてみたかったのですが、子供連れであり、今回は残念ですがあきらめました。

外へ出ると、すでに空は真っ暗になっており、ネオンの光がいっそう華やいで見えます。目の前のニューヨーク・ニューヨークの摩天楼がさっきよりもいっそう存在感をアピールしているようで、やはりラスベガスは夜の街だなということを感じました。

   

これから北に向かって歩き出しましたが、すぐに、M&M’sワールドとコカコーラグッズの店があり、ここに寄ってお土産を買うことになりました。ちょっと買い物といっても何階もフロアがあり、1時間くらいはかかったでしょうか、かなりの時間を費やしてしまいました。

買い物を終えると、再び北に向かって歩き出します。21時近くになりますが、通りはまだ多くの人でにぎわってます。ストリップは安全だと言われてるようですが、今まで巡ってきた田舎の観光地と違って、酔っぱらいも多く、いろんな人がいるので、子供連れだとそれなりに気を遣います。

しかも夜も遅くなってきているので、なおさらのことです。工事もあちこちでやってました。ストリップ沿いの道路にもまだ明かりのついていない建設中の巨大なビルがいくつもあり、これから、なおいっそう人もお金も集まってくるのでしょう、これでもかというパワーを感じました。

   

楽しみにしていたベラッジオの噴水ショーを見る前に、その向かいにあるパリス・ラスベガスの中に入ってみました。このホテルは外から見ると、建物すべてが淡い黄色の光に統一されていて、上品な美しさがありました。

昼間ストラストフィアタワーに登れなかったので、せめてこのエッフェル塔から夜景を見ようと思ってたのですが、入場口は長蛇の列、あっさりとあきらめました。その代わりトイレを借りるついでに、カジノを見て回りました。高い天井には空が描いてあって、屋内なのに、青空の下にいるようで、不思議な感覚です。

再び外に出て通りを渡り、ベラッジオの前までやってきました。池の周りは多くの人でにぎわっていますが、それでも人混みでショーが見えないということはありません。15分おきに違った音楽に合わせて、水と光の絶妙なショーを、しかもただで見せてくれるなんて嬉しい限りです。

余裕があれば、オーやカーといった有料のショーも一度は見てみたいと思いますが、この噴水ショーを見ただけでも、得した気持ちになりました。

  

ここで引き返しても良かったのですが、せっかくなのでもうちょっと先までということで、ミラージュの前まで来てしまいました。ここは火山噴火のショーをやってるんだけど、次のショーまでは30分の時間があり、ここでようやくUターンすることにしました。ここまでルクソールラスベガスから、3kmくらい歩いたことになります。

一人だったらもっといろんな所を歩きたかったのですが、時刻は22時半になっており、子供達も疲れ気味です。私も末っ子を背中に担いだままなので、少し疲れてきました。とりあえず、またベラッジオの前まで来て、ここでしばらく休憩もかねて噴水ショーをぼーっと眺めてました。

23時を過ぎてるというのに、まだまだ人が減る気配はありません。ストリップの通りも大渋滞で、車であふれています。このにぎわいは明け方まで続くのでしょう。

どこかでタクシーに乗らねばなりませんが、ここフォーコーナー周辺はあまりに人が多く、道路も大渋滞、子供がエクスカリバーとマンダレイベイを結んでいる無料トラムに乗りたいということなので、もう少し南まで歩くことにしました。

街のネオンが本当にきれいです。満天の星空とはまた違った夜の美しさです。こういうド派手な夜景も日本ではまず見ることはできないでしょう。昼間も来てみたいと思いましたが、この時期は暑いし、やはり夜の方がLas Vegasのパワーを実感できるでしょうね。

    

再びエクスカリバーまで戻ってきましたが、残念ながらトラム運行の時間は終了しており、ここでタクシーに乗ることにしました。ホテルのタクシー乗り場まで行きましたが、これから街に向かう人達でしょうか、結構な人が待っています。

それでも次々にタクシーはやってきて、帰りも2台に分乗してOASIS RV Parkまで無事に帰ってきました。タクシーの運転手に「いつもこんなに人が多いのか」と聞いたところ「今日(木曜日)はまだ少ないうちだ。明日、明後日はもっと多いぞ」と言われました。

そうだとすると、特に子供連れなので、今日が週末じゃなくて良かったと思いました。帰りの運賃も約16ドル、チップも含めて20ドルを渡しました。車にたどり着いたのは、すでに日付が変わってからでした。

子供達はさすがに、そのまま就寝。私たちは、本当はこれから荷物のパッキングをする予定だったのですがさすがに今日は中止、明日の朝早起きしてすることにしました。今日は、キャンピングカーの中で過ごす最後の夜ですが、そういう余韻に浸る暇もなく、ビールを飲んで、1時過ぎには休みました。

 

★ ラスベガス Oasis Las Vegas RV Resort

(全米最大級を誇り、約950サイトあります。いろいろなキャンピングカー(モーターホーム)もご覧いただけ、まさにアメリカンリゾートライフが満喫できます。)

http://www.oasislasvegasrvresort.com/index.html

 

   
 

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